オートフォームジャパン副社長からのメッセージ

June 2021
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お客様各位
ニュースレター読者の皆さま

コロナウイルスの影響は予断を許さない状況であるものの、ワクチン接種の進捗とともに問題の収束に向けて光が見えて参りました。アフターコロナ、働き方改革によりリモートワーク環境におけるオートフォームの使用をご検討の場合は、担当営業、技術までお気軽にご相談くださいませ。

ところで、皆様におきましてはニューノーマル時代の情報取得はどのように変化していますでしょうか。今回ご報告をした展示会も対面からバーチャルとの融合を目指しているようで、新しいものを知る機会も変化を見せています。弊社では、このAF Newsを初め、Webinar、専用ブログサイト(https://japanforming.com/)、ホームページ、SNS(LINE, Facebook, LinkedIn)、IPROSを通じて情報発信をしておりますが、Webinar、SNSにおいても一方向の情報提供から脱することができておりません。国によっては、SNS上でのプレス技術、シミュレーションエンジニアの交流により情報共有や議論がされているようです。皆様よりユーザー同士、同じ問題を抱えている方同士の交流の場が欲しいと要望をいただきます。SNSをそのような場にできないかと模索をしているところでございますので、良い案があればぜひ教えていただければと思います。また、コロナ禍においても広島における技術交流会はWeb形式で定期的に開催をしており、情報取得(これも双方向の議論や情報交換の場としては機能させきれていませんが)の場としてご評価いただいております。他社と交流を図りたいから、オートフォームジャパンが仲介してくれると嬉しい、といったご要望があればぜひご相談くださいませ。アレンジに向けて活動をしていきたいと考えております。

Brand Name材料データ
株式会社神戸製鋼所様よりアルミ材料データのご提供をいただきました。AutoForm-ServiceCenterからダウンロードしてご活用いただけます。非常にご多用の中、データのご提供に尽力いただき誠にありがとうございました。引き続きの材料データのご提供もご検討いただいております。日本初のBrand Name材料ということでグループ内でも嬉しいニュースとして共有されました。オートフォームグループを代表してお礼を申し上げます。

AutoForm Forming R10リリースに関して
ソフトウェアのコーディングとテスト作業を終了し、皆さまへ正式版としてご提供をするために日本語化とともに必要なマニュアルやWhite Paper(詳細な技術内容の説明書)、トレーニング内容の準備を進めております。9月にお届けできる予定でございます。なお、ソフトウェアのダウンロード、マニュアルの閲覧はAutoForm-ServiceCenter経由になります。アカウント開設がまだの方は弊社技術サポート担当までご連絡をお願いします。

現在ご使用いただいているオートフォームのバージョンはR8が最新であり、「あれっR9は?」と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。既にリリース済みのAutoForm Assembly R9と連携して使用するための対応版として、AutoForm FormingR9を準備した背景があります。AutoForm Forming製品ラインの大きな機能バージョンアップ版はR9ではなくR10としてリリースをいたします。

REMパッケージ
REMパッケージは、シミュレーションの信頼性を高め実際に効果を得るためのソフトウェア、トレーニング、技術支援をパッケージにしたものです。詳細は、REMパッケージのご説明で、また重要なポイントはユーザー事例と合わせて述べました。ぜひご覧ください。

ここでは、オートフォームジャパンがどのようなお手伝いができるかについてご紹介させてください。オートフォーム社はシミュレーションソフトウェア会社ですが、製品を紹介して購入いただくことだけに注力するのではなく、如何に効果、価値を実感していただくことができるかが成長の鍵だと考えています。そのため、エンジニアの多くは皆様のような実際にプレス成形に関連する企業でエンジニアとして業務を行っていた者を採用し、お客様と一緒の言語で一緒に取り組みができるような体制を整えています。多くの共同プロジェクトを通じ、共通する典型的な問題事例に対する解決策の蓄積があります。また、残念ながらうまくいかなかったプロジェクトがあることは事実ですが、それを次の学びとして意味のあるものとしてお客様にご提供しながら自社の経験として蓄積をしています。

私自身も痛感しておりますが、当たり前のように行っている通常業務に落とし穴のように問題が潜んでいることを当事者が発見することは非常に難しく、また、なんとなく問題があると気づいていても、恒常的に業務多忙の状態では、あらためての振り返りや対策を考える余裕を持つことができません。さらなるシミュレーションの信頼性向上は(後回しにしがちな)緊急ではないが、本当は重要な問題、であるかもしれません。そのような問題に、オートフォームジャパンを上手く活用していただければと思います。

ユーザー様事例
株式会社ワイテック様とPSAグループのPushMold様にご協力をいただき、大変興味深いユーザー事例をお届けすることができました。

技術サポート支援の依頼として多くいただく内容であり、シミュレーションを活用されるユーザーにとってシミュレーションの再現性、いわゆる精度は大きなテーマであることを理解しています。PushMold社の事例は、オートフォーム社とで行った共同のプロジェクトです。REMでご紹介しているAutoForm精度指標に従い仮想空間と現実空間のマッチングを担保しました。例えば、シミュレーションでクッション、パッド圧の分布が理想的な状態になるよう条件を決定し、実トライ時にブルーオイルにてシミュレーションで想定した理想的な圧力分布になるように調整を図っています。さらに、工程設計時にロバスト性を確認し、避けられない材料、加工条件のばらつき、その他ノイズ要因に対しても安定したスプリングバックを確保することで、見込みの収束性を向上しトライアウトでの再現性を向上することができています。最後に、シミュレーションで想定する工程条件が、下流工程である型設計や加工データ作成時の追加作業(例えば、NC可能で新たに考慮される逃がし面など)により影響を与えることが無いよう、他グループと密にコミュニケーションを取りながら現実に即したシミュレーションを心がけ、信頼性の高いデジタルマスター・データを準備していることも見逃せません。

ワイテック社は、従来から精度指標の考え方を当然のように適用されているシミュレーション(デジタルマスター)の信頼度が高いお客様です。実パネルとシミュレーションの差異があった際には、理由なく材料、摩擦モデル、メッシュサイズなど結果に敏感な数値をいじって結果が合うように見せるのではなく、コントロールできていなければならない因子を1つ1つ丁寧に合致していることを確認しながら、原因の特定に進んでいます。今回は標準として使用している材料パラメータと入荷された実際の材料の特性に差異があることが結果に違いを及ぼす主要因でした。特に、ハイテン材やアルミ材など材料メーカーによる特色が大きく、時間変化のある材料に関しては、(PushMold社の事例でも同様の取組みがありましたが、)シミュレーション活用の上流から下流フェーズに向かって材料データをアップデートすることをプロセス内に組み込むことの必要性を示唆しています。

ワイテック社の企業競争力の1つに若手エンジニアの成長を促し、戦力として育成する企業能力があります。ベテランと若手の融合により若手エンジニアの成長を促す仕組みが通常のエンジニアリング業務に織り込まれており、技術、ノウハウ伝承が自然に行われています。これはベテランエンジニアのホスピタリティがあることで機能している側面も強く、模倣しにくい企業文化から強みとして現れているものと理解しています。さらに、地域のデジタルものづくり能力向上を図る取り組みにアドバイザー企業として、地場企業をリードする役割を担いながら、企業の新たなチャレンジを若手育成の機会と融合しながら達成されています。このように、日々の取り組みの中に競争力強化の仕組みが上手く組み込まれていることに、ただただ感嘆しております。

事例作成のご協力誠にありがとうございました。

オートフォームジャパンを代表して、皆さまのご愛顧とご支援に感謝申し上げます。
いつも繰り返しお伝えしている内容ではございますが、オートフォームは「効果」をだすためのツールであり、新たな「価値」を生み出すためのツールでございます。思うような効果が得られていない、どのように改善できるかを考えるための時間が十分に確保できない。などお悩みを抱えている方は是非ご相談くださいませ。
業務プロセス全体を通じて、どこでどのような効果を得ることを目的とするのか?現在のプロセスとあるべき姿を議論させていただきながら、そのギャップを埋めるためのご支援を続けて参ります。皆さまにいただいているライセンス料以上の高い効果を出していただくことがオートフォームジャパンの「価値」でございます。価値を実感していただくために、社員一同、精一杯貢献できるように努めて参ります。ご要望やお気に召さない点がございましたら承りたく存じます。

皆様の安全と健康を心よりお祈り申し上げます。
オートフォームジャパン株式会社
取締役副社長COO
鈴木 渉

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