AutoFormの材料データベースから「相当材」を見つける方法

September 2025
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AutoFormで材料データを設定する際に、毎回引張試験などを実施して材料特性を取ることができるユーザー様は非常に限られているのが現状です。その理由として、材料試験自体がかなり高価であるという価格的な問題と、開発スケジュール内で、材料を入手できるタイミングではすでに成形性検討に着手していることが多く、それから試験を行っていては間に合わないというような課題があります。

そのようなケースでは、過去の実績から作成された材料データや、最も特性が似通った「相当材」を利用されることもあると思います。

図1 AutoForm Forming R12での材料選択画面

「相当材」を探すにあたって、デフォルトの材料ファイルを利用する方法のほかに、弊社のService Centerからも材料データをダウンロードすることが可能です。特にService Centerでは、ソフトウェアリリースのタイミングとは別で材料データが随時更新されているため、相当材が見つかる可能性が最も高いといえます。

図2 ServiceCenterにおける材料データベース

データベースの中から、今回使用したい材料と完全に名称が一致するものが見つかれば、それなりに材料特性も実物と近いものであることが期待されますが、そのようなケースは非常に稀です。そこで、ここに用意されている材料データの中から、最も近しいものを探すための参考情報として、「材料等価テーブル」が準備されています。

たとえば、溶融亜鉛メッキ、もしくは合金化亜鉛めっきの軟鋼板のうち、C材(JAC270C)やE材(JAC270E)といったグレードのものは、デフォルト材料データベース内の日本向けフォルダには用意されていません。しかし、ServiceCenterにおける「材料等価テーブル」を確認すると、JAC270Cについては、VDA規格でCR1、ISO規格ではDX51Dというグレードであることがわかります。

図3 溶融亜鉛メッキの軟鋼板等価テーブル

たとえば「CR1」のという名称で材料フォルダ内を検索すると、以下のように候補が表示されます。

図4 「CR1」での検索結果

ユーザーの皆様は、このようにして使用したい材料に近い「相当材」を見つけることが可能です。ただし、検索結果として表示されるすべての材料ファイルが、今回使用したい材料特性と一致するわけではなく、またデータの提供元によってもそれぞれ微妙に特性が異なることに注意が必要です。

今回のケースでは「CR1」だけでなく「CR160」や「CR180」も検索結果として表示されており、名称が同じであっても材料特性はファイルごとに異なっています。そのため、もしお手元にミルシートなどの情報がある場合は、検索された候補の中から最も近い材料を選ぶことで、できるだけ実際に使用する材料と近いものを選ぶことができます。日本の高炉メーカーの生産する材料は海外のものと比較して非常に高品質であることも多いので、名称だけでなく、可能な限り特性を確認してから使用することをお勧めします。

最後に・・・
材料の特性は、同じ名称の材料であっても、生産される地域や、生産から使用までの時間経過によって変わることもあります。データベースとして用意されている材料ファイルは、特定の条件で取得された一例であり、必ずしも実物と一致する特性でないこともあります。ファイルに書き込まれた内容や、実際のプレスでの利用状況などを考慮したうえで、最終的には自己責任でご利用いただくようお願いいたします。

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